築地でええじゃないか! かわら版

築地市場が豊洲に移転して5年。卸売市場が支える消費者と商店街を守るため、東京都とゼネコンの再開発事業の動向をウォッチ。

豊洲市場ダメじゃないか!ツアー・レポートその3

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2018.3.24&25豊洲市場の一般公開「豊洲市場魅力発信フェスタ」を利用して、批判的に見てまわり、欠陥を発信する「築地でええじゃないか! presents 3.25豊洲市場ダメじゃないか!ツアー」を実施いたしました。思いがけず好評で、参加人数はなんと11人。
トップ写真はあまりにツアーの歩行距離が長すぎたため、この日は割愛したのですが、中卸棟の西側の「ぐるり公園」から見える地下水汲み上げ装置です。平日は対策工事の車がひっきりなしにいききしています。
 
このイベント直後、江東区議会が、東京都が千客万来施設計画を進めていないとして委員会質疑打ち切りとしましたが、おそらくこのイベントでの有様を見て気づいた部分も多かったのだと思われます。そもそもイベントが行われている場所は、千客万来施設の用地。もちろんまだ業者すら決まらずサラ地です。
さらに第一回に書きましたが、「あの築地市場が移転してきて楽しみ!」とうたうイベントなのに、フード屋台は品揃えに乏しく、お魚関係はパン屋さんの「豊洲サバサンド」だけという始末。築地の業者さんは、飲食・関連にいたるまでイベントに「アリバイ作りに使われたくない」と非協力的だった、という報道もありました。
ツアー行程に準じて、3回に渡って参加者の声をレポートする最終回。今回は青果棟と周辺の環境です。
(註・個人の感想です)。
 
大卸・仲卸棟から、もう一度遠い通路を延々と歩いて、青果棟も見学。
・遠い (仲卸-青果は徒歩で往復すると48分という話も)!
・中卸棟との間にシャトルバスを作ると言い出したけど、ただでさえ駐車場の入出庫で渋滞してるのに、大混乱だよ。
・自転車も禁止だって。
・青果はちょっと通路広いみたい。仲卸には相談しなかったけど、青果には相談して設計したらしい。
・見学ルートに12カ月の青果の色のパネルとか、また要らないものが。見学ルートも青果の方がきれいで、壁材とか高級そう。
・でも、青果って見学するかな?今日も仲卸棟よりずっと人少ないよ。
・突き当たりは謎の大広間。コンサートでもするのかな。
・あの立体冷蔵倉庫(立体駐輪場みたいに搬出入できる)が目玉らしい。ここはそれを見る場所?見ないよね。
・仲卸と同じで、上から見ておもしろいものでもないし。
・ところで、タバコはどこで吸えるの?
・喫煙者は排除します!
・いや、働く人困るでしょ。余計ストレス溜まっちゃう。
 

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最後に、会場を出て、通りを渡り、仲卸棟の隣の空き地の前まで行きました。そこが千客万来施設の予定地
・これはムリでしょ。
・この環境に作っても採算とれないから、業者は撤退するはずだよね。
・そもそもここは東京ガスの工場だったとき、汚染水をためておくプールだった場所。
・さらに地下水が高いので、水溜りがいつもある。雨降ったのは二日前なのに、水がしみこまない。それどころか、すぐに地下水が地表にまで出てくる。
 ・汚染水が。

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その隣のビルは「加工パッケージ棟」。実はこれこそが築地にはない、豊洲の「目玉」なのですが、報道やPRでも語られることが少ない施設です。運用がまだ未定なのかもしれませんが、パンフには「スーパーなどから求められる機能」とあり、都の資料には「実益者からの要請で」とあります。つまり、外食産業や大手スーパーなど、大口の取引先の需要のために作られた施設。
 ・じゃあ食品会社が自分でお金出して作ればいいのに。なんでスーパーのために特別市場会計から金出すの?
・スーパーや外食産業向けの流通が主流になるなら、それは市場を通さない方が安いってことにいずれはなるよね。
・世の中の魚の消費は減ってるし、水産資源も減ってる。市場を通さない加工食品が主流になるとしても、規模が小さくなるからこそ、逆に築地を残して、「築地ブランド」にしたほうが、水産業界のイメージ的にもいいと思うけどな。
・そもそも、市場通さないのにここまで運んでくる必要ある?わざわざ毒のあるとこに。
・市場の現物原則が廃止されて、仲卸も通さない。それなら市場の建物作る意味ないよ。もし今後の流通の形態がそっちになるというなら、最初からネット上にバーチャルで作ればいい。コストも安いし。この建物要らない。
・作らなくてよかったのに。
・結局作る目的がゼネコンを潤すことと、築地の土地を地上げすること。
 
今回、なんといっても実感したのは、大卸・仲卸・青果の分断のひどさでした。関連・飲食などの市場で働く人を支える部分も含め、すべての機能が一体となっている築地に比べ、これではほんとうに運用できるかどうかもおぼつかないほどです。
飲食に関しては、場内の業者が「商売にならない」と言っているので、調べていたところ、社員食堂が作られるということが発覚。「豊洲市場・求人」で検索してみてください。デリカ・給食業者が1500食規模の社食を運営することになっているそうです。これらの建物のうち、どこにできるのかは不明ですが、もしかしたら加工・パッケージ棟や、大卸棟の転配送センターの「築地の職人さんではない」新しい雇用層のためにあるのではないでしょうか。
 
・ここは結局「市場」じゃないね。
・築地のイメージを使っても、大手業者向けの流通倉庫と工場を作っているだけ。
・しかもこんな土壌のひどい土地で。
地震で簡単に液状化するからね。なにかあったらすぐ流通止まる。
・築地の業者だけの問題じゃないよ。結局都内の飲食店とか小口の業者がつぶれちゃう。
 
最後は、大卸棟に向かって、「築地でええじゃないか!」三唱でツアーを終えました。
みなさん、ほんとに長距離の歩行とトホホな施設の見学、お疲れ様でした。たくさんのナイスなつっこみ、ありがとうございます。多くの方に共有してもらえるよう、がんばりましょう。