築地でええじゃないか! かわら版

築地市場が豊洲に移転して5年。卸売市場が支える消費者と商店街を守るため、東京都とゼネコンの再開発事業の動向をウォッチ。

東京都の卸売市場条例改正がヤバすぎる。

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昨年、国が「改正」した「卸売市場法」では83あった条項が19になってしまっています。なんと四分の一以下!!
で、来年6月の施行に向けて、ばさばさと国が「削除」したところを、ノールール、空白にもしておけないので、そこは取引ルールは各市場ごとに卸売市場条例で規定、と、「自治体(今のところ市場の開設者。改正法では民間も開設できるようになるんだが)に丸投げ」となっています。
全国の自治体で条例改正のための議論がはじまっていて、三大ポイントとされる
卸の第三者販売
仲卸の直荷引き
商物一致(すべての品物の市場搬入)
原則禁止=改正法ですべて廃止
を、どうするか、などが課題となっています。ここで「いい条例」を作れば、市場の価値はまだ守られるというわけ。
 
さて、われらが東京都、は、さすがにスゴイ
 
まず、議論しない。
「条例改正準備会議」を四回、非公開で実施したものの、三回目までの内容を踏まえず、いきなり最終回の四回目(7月)に、都の市場局が条例案を出してくる。
そしてその内容(新旧対比表の形式)も、三大ポイントはすべて廃止=自由化、それ以外にも対比表には廃止廃止廃止廃止の文字が並ぶ、ゆるい校則(ならいいけど)みたいになっています。
 
 
そんなにボリュームないので(なにせ120条あるのを廃止廃止だから)、ぜひお読みいただけるといいのですが、めんどくさい方に向けて、前記事「豊洲移転から一年」のシンポジウムを踏まえ、このような緊急チラシを作りました。
現在さらに詳細な表ウラver.を作成中。そのために調べていたら、もっとスゴいよ!!
とりあえずこちらを拡散よろしくおねがいします!!

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ちなみにこの条例改正についてのパブコメなどはなし。売買参加者を含む市場関係者限定の意見募集がちょこっとあっただけ。
では、こちらから、今こそ都庁に声を届けましょう。
 
宛先はこちら。
 
参考:筆者の書いたのはこんな感じです。
 
都市場局および都知事
「卸売市場条例改正について」
来年6月の国の改正卸売市場法施行に向け、それに対応した卸売市場条例改正が、東京都はもちろん、各自治体で進められている状況を、消費者として関心をもって注視しています。
条例の役割は新・市場法で廃止となった多くの規制を、どのように透明性・公平性・市場の価値を保った運用をしていくか、その観点での取引ルールの制定が望まれます。しかし、7月の条例改正準備会議、これがそもそも非公開なので、配布資料を都のHPで見たところ、国の改正よりもさらに過激ともいえる自由化を推し進める、規制条文の廃止が多数並んでいます。法のしばりが減った中、これで市場取引ルールをいったいどうやって維持しようというのでしょう。
また、東京は大消費地であり、市場の建値をつくる役割をもっていますから、全国の条例改正に大きな影響を与える立場です。その全国には生鮮食品の産地があり、各地の市場がわたしたち都民を含めた全国の人々の食の安全・安心・安定した供給を守っています。今回の都の条例案は、東京の市場のみならず、産地に対しても悪影響を与えることが懸念されます。
そして最終的に価格や取引が不透明になり、品質の低下が起きたら、ツケをこうむるのはわたしたち消費者と、それに直接向き合う地域の小売事業者ではないでしょうか。
都は、今回の改正案を強行することなく、消費者を含めた幅広い意見募集を実施し、市場業者へのヒアリングもていねいに行い(京都府などはそれをやっています。条例改正会議も30回以上)、市場取引を守る条例の策定をするべきです。

 

 

おまけ。

各方面で話題になっているダイアモンド・オンライン岡田記者による「豊洲開場1年」の記事はこちら。豊洲の問題まるわかり!必読です。

https://diamond.jp/articles/-/216894