築地でええじゃないか! かわら版

築地市場が豊洲に移転して5年。卸売市場が支える消費者と商店街を守るため、東京都とゼネコンの再開発事業の動向をウォッチ。

他の市場に行ってみよう:東久留米地方卸売市場

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コロナ・ウイルスの影響で、いろんなものが店頭から消える昨今。
買占めはしたくないけど、必要だから買いだめをしなくてはいけないというみなさん。食品や台所雑貨などを、大ロットで買える場所があります。
マスクはともかく、トイレットペーパーやお米、保存食がなくなったのは、生産よりも流通・運送の問題とも。それなら、流通の元になるところに買いにいけばいいのです。
 
そう。卸売市場
 
豊洲市場が一般立ち入りを中止、他の中央卸売市場も開放日の中止などがなされていますが、地方卸売市場という手があります。もしかすると、あなたのお宅の近くにもありませんか?
地方卸売市場なら、一般向け小売店を兼ねているところがほとんどです。つまり、営業しているかぎり、一般客でも買いにいけるはず(市場によって中止しているおそれもあるので、必ず事前にチェックはしてください)。
 
と、いうことで、今回は「他の市場はどんなとこ?」シリーズ:東久留米地方卸売市場のレポートです。品不足になるちょっと前に訪問したので、状況は変わっているかもしれませんが、今のところ営業は通常どおり続いているようです。
状況はこちらでチェック!
 

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東京には11の中央卸売市場と、12(食品8、花き4)の地方卸売市場があります。全国では中央卸売市場が64、地方卸売市場は1037で、うち民営が850、公設が187。東京の市場はすべて民営です。
成り立ちとしてはもともと卸売事業者が集まって株式会社化した民間市場が、自治体の認可をとって地方卸売市場と名乗ったり、産地市場では農協や漁協が市場を運営しているものもあります(港町で観光朝市をしているようなところ)。
 
中央との違いは許認可の制度のほか、「市場施設の目的外利用」が緩和されていることであり、一般小売の根拠と思われます。卸売市場法/条例の改定で問題となっている「商物分離・第三者販売・直荷引き・市場外取引」もすべてOK。
わかりやすい対象表はこちら。
 
 
東久留米ではなく、九州の久留米のものです。
そもそも「東久留米」ですが、東京には久留米も西久留米もありません。九州の久留米とかぶるので、東日本の久留米ということでの「東久留米」。となりの「東村山」「東大和」や「東伏見」とかと同じですね。
 
そんな武蔵野台地にある東久留米市場。
公共交通でのアクセスは西武バス(清瀬-花小金井:「グランド入口」下車徒歩1分、東久留米-武蔵小金井:「久留米西団地入口」下車徒歩5分)。新所沢街道に立地し、周辺は団地と工場と流通倉庫、あとは畑と野火止用水沿いの雑木林という環境です。

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地図を見ていただくとわかるように、市場は東京北魚(水産卸)と同じ敷地で、ケーズデンキをはさんで青果卸の東京多摩青果。もしかしたら元々はつながっていた敷地の一部をケーズデンキに貸したのかもしれませんね。

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市場ですから、朝は6:15から。正午すぎには閉まりはじめます日曜得得市も開催されていて(毎週ではない)その日は8:00からの営業だそうです。
 
入ってすぐの大東青果は「市の駅・農産物直売」なるキャッチフレーズで、入り口からして一般小売を前面に押し出しているイメージ。

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次に厨房用品や保存食品の店が多く集まり、玩具店まであります。地域のお祭などにも便利ですね。市場ですから、長靴ももちろん売っています。

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大丸のり店が運営する大丸食堂はお弁当や和菓子も販売。350円の朝定食や、500円のカレーや焼鮭定食など、かなりお安いです。遅くなるとお弁当やおにぎりが半額に。
中央付近と通路北側には市場ではおなじみ「肉のアンデス」など精肉が集まっています。大ロットのものや、高級肉、希少部位、モツなどが目立ちますが、小口の買い物もできます。

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通路をはさんで、東京北魚を中心とした水産のブロックに。丸魚もありますが、焼き魚や揚げ物といったお惣菜のパックを売ったり、お刺身などもあり、小売も充実。
これは訪れた時間(11時ごろ)が遅かったせいと思われます。築地でも足立でも最初はプロ向けで、余ったものを小ロットに切り分けて小売することはありますから。でもお惣菜があるのはご近所さんには便利ですね。

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(東京北魚。終業しているけど、市場らしさが一番わかる)

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(絵がうまい!!)
 
ご近所と思われるお客さんたちは、特に「市場」というよりは、ほんとうに普通に便利に使っている様子。あとは歩いていると、お店の方の声かけがとても多く感じました。もちろんプロのお客さんも来ていて、取り置きしていた発泡箱を台車で搬出したりもしています。
 
豊洲直送」と大書した店が水産にあったのですが、ここは豊洲まで仕入れにいって、分荷して売っているのかな。店頭にあったものが牛乳やパンだったので(場内向け売店のような)不明ですが。
 
ここはテレビでも取り上げられたし、市場からの発信も盛んなので、一般客のあいだでも相当有名になっているようです。食堂も人気で、前述の大丸と、水産の海鮮市場食堂があります。喫茶店「漕人」は今年閉店してしまったそうです。
こぢんまりした定食屋さん的な大丸もいいのですが、海鮮市場食堂は大きなコの字カウンターが二本あり、いかにも市場メシ。海鮮丼980円や刺身三点盛650円もありますが、この「まぐろリブロース(650円)」などは市場ならではでしょう。豊洲にもこんなの出すところないですよ。これは食券を買ってから、ケースに入れてあるのをセルフで取ってお店の人に渡すと温めて定食をつけて出してくれます。味噌汁もボリュームあり。

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コロナウイルス問題で、流通のあり方も問われています。話題になるのはドラッグストアのことが多いですが、生鮮食品の安定供給は、どうあるべきか。
また、市場で仕入れる街の商店や飲食店はどうなっていくのか。

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(隣の東京多摩青果)
 
大きな中央卸売市場と、それを補完する地方卸売市場という地域に密着してコンパクトで小回りのきく市場。東京が巨大消費地だからこそ、どちらも減らしてしまってはいけないものです。
 
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