巨大な再開発事業が進み、ビルの森となっていく湾岸エリア。
今回は築地から築地大橋、黎明大橋を渡った、都心最大タワマン群・晴海FLAGの現状を見てきました。トップ写真は竹芝桟橋から。手前が豊海水産倉庫、まんなかの黒い建物が2024年オープンの晴海FLAG、すなわちオリンピック選手村、大して高くないと思われるかもしれませんが、この真ん中に170mのタワー棟が2本建ちます。その向こうの低い建物が豊洲市場です。
最近の界隈のトピックとしては、4月の統一地方選挙で中央区は区長選が無投票(現職の山本氏以外立候補せず)ということがありました。山本氏の地元である日本橋も含め、中央区は再開発だらけですが、逆にそうなるとタワマン新住民が土地のことを知らず、投票につながらない傾向もあるようです。とはいえ、23区で無投票は衝撃的です。
そして現在分譲中の晴海FLAGが「新規(タワー棟分)は1人2口までの応募」に規制すると発表。要はこれまでの分が転売目的の事業者による大量応募でむちゃくちゃになってしまったようです。都心のタワマンの多くで、こうした投機購入があるため、実質住んでいる世帯が少なく夜は真っ暗だったりしますが、特に晴海FLAGは規模が大きく、民間と東京都、中央区が贅沢な設備投資をしている割に「安い」というのがあります。
なぜ安いか?
東京都の公有地を評価額の10分の1以下の129億6000万円で投売りしたからですね。
都民のみなさん、覚えておきましょう。
裁判には勝ったけれど… ひょんなところからボロが出てきた「晴海フラッグ」問題 (1/2ページ) | ウチコミ!タイムズ | 住まい・賃貸経営 まる分かり
これは不動産系のサイトの記事ですが、東京都(「裁判に勝った」のは東京都、住民訴訟は控訴中)と三井不動産ら11社JVがどのような抜け道を使ったのか、かなりつっこんで書いてあります。
そもそも築地市場を壊したのも「オリンピックの駐車場にするため」であり、環状2号を開通させて選手村から国立競技場まで「10分早く着ける」ようにするため、でした。
そんな特別待遇の選手村を建てるために、東京都は土地を投売りし、なおかつ延期した2年間賃料を払っていたわけです。そして今、晴海FLAGという巨大な民間事業のためにインフラ整備を続けています。
オリンピック期間中はまったく入れませんでしたが、2年建っても環2から先、南側半分の歩道は封鎖されています(車は通れるようになった)。しかしここから臨港消防署の側を歩いて、閉鎖された客船ターミナルまで行けるようになりました。
清掃工場の前の大型工事は、商業施設になります。住民説明会が開催されたようですが、テナント等はまだ非公開だそうです。その裏にあたるのが、旧「ほっとプラザはるみ」中央区の施設で清掃工場の排熱の温水プールがありました。2020年から改修で閉まっていて「中央区晴海地域センター」として再開予定。プールはなくなります。なぜなら、タワマンには自前のプールがあるからです。
それにしても埋立地で清掃工場の近くというのは、本来なら迷惑施設で安いはず。最近は排気からの悪臭などは削減されているでしょうが、朝から清掃車が大量に走るのでは。それを踏まえて土地評価額が安い、わけではありませんが(近隣の晴海レジデンスなどと比較して)、ここに高級住宅街を作るのは、ある種の錬金術ですね。
晴海は交通の便が悪いというのもありましたが、環2に新交通(EVバス)東京BRTが開通。新橋・虎ノ門まで一発でアクセスできるように。それらの交通結節として「マルチ・モビリティ・ステーション」を整備中です。
BRTの充電や、水素ステーション、船着場もあります。小池都知事は船便がお気に入りらしく、豊洲にも築地にも船着場を作り、通勤者の船便の実証実験などもやっていました。オリンピックも選手を船で運ぶ、などという話も一瞬出ていましたが、あっさり消えたところをみると、実用性はいかがなものでしょうか。
清掃工場の向かいにあたる小中学校の整備です(中央区)。選手村の食堂だったところですね。食べ物の大量廃棄があった。
この先、道路を渡ったところが、タワー棟「SKY DUO」です。
【公式】HARUMI FLAG SKY DUO|毎日、感動できる眺め。
さっそくマンション・ポエムですが、「ぼったくり男爵」バッハ会長の
「東京に恋をするでしょう」も忘れてはいけませんね。
ところで、晴海FLAGには「新たな森をつくる」「森の中に住まう」といったポエムもありました。植林をする、とまで言っていたようですが・・・今のところ、緑の整備は見当たりません。森を作るようなスペースが見当たらない。街路樹とかのことかな?
小池都知事が各地でやっている樹木伐採→小さい街路樹などを植えて「緑を増やした」パターンがここでも?
いや、きっと晴海ふ頭公園のリニューアルで木を植えているのではないか。そう思ってたどりついた頃には日が沈み、湾岸の夜景をひとりじめ(あまり人は来ていない)。これが「東京に恋をするでしょう」か。
それにしても木がぜんぜんなくてフラットですね。
植林はどうするのだろう。
築地的には、晴海ふ頭公園のみどころはこちら。
水産庁の「開洋丸」「照洋丸」の専用埠頭です。とびうおの街灯が美しい。左奥の建物は客船ターミナル。閉鎖していて、今後は不明です。
そして、公園の噴水がこんなことになっていました。
オリパラはレガシー的には「The TOKYO 2020」という名称になったのでしょうか。