築地でええじゃないか! かわら版

築地市場が豊洲に移転して5年。卸売市場が支える消費者と商店街を守るため、東京都とゼネコンの再開発事業の動向をウォッチ。

守ろう、築地場外!!

お待たせしました!
築地市場お買い物ツアー」2月16日(土)の実施確定です。13時正門前にお集まりください。
詳細・直前状況は右記「みずのやさんのTwitter」でご確認ください。
 みずのや (@mizunoyak) | Twitter

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      波除神社前。比較的新しい店が。

そうして築地にいらしたみなさん、ぜひ築地場外の現状を見て、東京都のパブコメに投書をおねがいします。
2月21日が締め切りです。
 
築地では今、「まちづくり」という名の再開発事業が始められようとしています。
東京都は場内の土地を市場会計から一般会計に移し(みなさんの税金で築地の土地を買って、豊洲新市場の赤字を補填します)、この場所では中央卸売市場を開設できないようにしようとしています。
そしてその利用計画として、今年に入って唐突に打ち出されたのが国際会議場などの複合施設MICEの建設です。予想ではIR(カジノを含む統合リゾート施設)が入るとされ、小池知事は否定も肯定もしないという不透明な応対をしています。
 
当初の市場移転計画「築地は守る、豊洲は活かす」で、市場業者も希望者は築地に戻れる、と言っていた「食のテーマパーク構想」は影も形もありません。それは市場業者にとってだけではなく、まさに現在「食のテーマパーク」として発展してきた築地場外市場のお店にとっても、大きな衝撃でした。
 
築地は場内と場外が一体化してひとつの街を作っていた稀有な場所でした。
もともとは場内に買いにきたプロたちが、そのほかの品物を買い揃える店が立ち並び、場外が広がっていきました。大江戸線開通あたりから観光客が増え始め、飲食店は「市場直結」を売りにし、また、仲卸の場外直営店やプロ向きの食材・道具の店も小売客に対してアピールをした結果、場外は都内有数の商店街となったのです。
 
なりたちの根幹ともいえる、「市場」がなくなって「場外」はどうするのか。
 
これは移転計画がではじめた頃から、すでに考えられていたことですが、結果として答えがでないまま、市場の移転は強行されてしまいました。
もちろん現在でも観光客のニーズには応えているし、一方、築地魚河岸は買出し人向けに強化したリニューアルを行いました。
それでも、市場を見られなくなったための観光客の減少、そして多くの人が指摘する「籠やクーラーボックスを提げた人」が見られなくなったという事実。区議会議員の聞き取りでは、実感としては1~2割の売り上げ減少という商店主もいるそうです。
 

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今、築地場外を歩いてみて目立つのは、飲食の点では食べ歩きフードの増加です。
波除通りの玉子焼き店は、これまでも行列はありましたが、移転後になぜか大きく伸びているようです。
また、海鮮丼のお店なども店頭でのスナック販売を強化しています。

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100円から500円程度で軽く食べられる商品が大幅に増えました。

最近もっともメディアに取り上げられることが多いのは、東通りの築地DELIでしょうか。近江屋牛肉店によるローストビーフおにぎりと酒粕ミルクの店で、スタンディングのイートインです。しかし、こうした新しい店ができるのは、一方で閉店や縮小したお店があるからで、築地DELIは漬物屋さんの事務所がなくなって、そこを店舗として広げたものです。

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また、築地は「朝からお寿司」「午後2時に来ても閉まっている」というのが文化でしたが、「ふつうの」飲食店のように、夜間や休場日の水曜・日曜の営業を拡大したり、バーなどをオープンしたお店もあります。ただし、それができるのは資金力・体力のあるお店に限られるでしょう。
 
こうして「市場直結」というアドバンスを失った築地場外市場が、「場外市場」という名のふつうの商店街になっていくことが、果たして生き残るための道なのでしょうか。
市場に直結していなくても、プロユースと観光客向けを両立させて人気のある京都・錦小路や、大阪・黒門市場といった成功例はあります。最初は手探りでも、場外のこころみがこれから伸びていくことは期待したいと思います。
 
ただ、現状において、立ち食いや食べ歩きの増加は、これまで衛生に気を使ってきた築地場外の街路の様子を変えつつあります。

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観光客の質も変わったのかもしれませんし、単純に商品を見ていると、客単価は下がっているだろうと思われます。
これまでほっといても行列のできていた高級店が、最近では価格を全面に出したメニュー片手に呼び込みを続けている風景もあちこちで見られます。
 
そして、築地が「普通の商店街」を目指す場合、今後、高級店や観光客向けならば銀座と、近くの会社員などが毎日利用する居酒屋ならば新橋と、とても近い立地で対抗しなくてはならないという不利もあります。
 
もっとも深刻なことには、築地場外が生き延びるための対策の時間は、決して多くありません。
東京都とディベロッパーが進める「まちづくり」は当然オリンピックと築地の解体と連動しており、その再開発のターゲットは場外にも広がるのは明らかだからです。
 
そして場外に空き店舗が増えていくと、今後の地上げはたやすくなります。
波除神社付近の仲卸の作業場や事務所がなくなりつつあり、また市場で働く人や買出し人、トラックドライバーなどの利便のためのお店が消えています。
NHKのドキュメントで取り上げられて話題となった、立ち食いそば屋が今月で閉店というウワサもあります。

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市場に近いエリアだけではなく、一等地のもんせき通り。以前火事があって10軒近いお店が焼けましたが、その後移動を経て元の場所に仮設店舗を出して、ビルができたらここで正式に再スタートする予定になっていました。
その1軒、「コーヒー花豆」や「まぐろ金ごま」などが観光客にも人気だった、菊屋中村は、元の場所に建てられた新しいビルに入居契約をしていたのに、突然1月末での立ち退きを言い渡され、築地から実店舗がなくなってしまいました。何十年も続いたお店が、です。
新しいビルには、これまで築地になかったファストフード的なお店が出店予定の貼紙を出しています。
 

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 そして、築地を愛してきたこれまでの顧客たちが、築地離れをしている最大の理由は、これではないでしょうか。
市場が壊されていく築地から、人が離れていく。モノも、お金も離れてしまう。

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そこに、「あの豊洲市場を作った」東京都が進める「まちづくり」が降ってきたら、どうでしょう。
 
再度のお願いです。築地はみんなのものです。一般の消費者・都民・観光客の視点でもかまいません。築地がどうなってほしいのか、どうなってはいけないのか、どんどんパブコメを送りましょう。

「築地まちづくり方針(素案)」ご意見募集|東京都

 

参考:宇都宮けんじ/希望のまち東京をつくる会パブコメを呼びかけ、提出したパブコメの公開をしています。

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