築地でええじゃないか! かわら版

築地市場が豊洲に移転して5年。卸売市場が支える消費者と商店街を守るため、東京都とゼネコンの再開発事業の動向をウォッチ。

ところで豊洲はどうなってるの? 2023秋

 

前記事の11月上旬の築地レポートと同日ですので、少しまが開いてしまいましたが、豊洲市場の「にぎわい施設」千客万来がヤバいらしい、と聞いて、見てきました。テナントが7割埋まっていないらしい・・・

時計塔・・・川越?江戸なのに小江戸?いや、もしかして築地の時計台へのオマージュ(なわけない)?と、いきなりチープな外観にがっかりです。

場所は仲卸棟の東側・加工施設のとなり、最初駐車場になったものの地盤がゆるくてアスファルトがデコボコしたところで、そのあと「マルシェ」をやったり都バスフェスとかやって駐車場として使えなくしていた場所です。東京ガスの工場時代は廃液プール。

これはデッキから見えるところ。蔵・・・しかしサイディングの安っぽさたるや。最近東京都でおなじみの「へろへろした細い木」で緑化もされていました。

そもそもなぜ卸売市場に「にぎわい」が必要なのか。

このブログで「ほかの市場はどんなとこ?」と巡ってきていますが、市場に「にぎわい」は必要ありません。なぜならプロユースだから。

しかし市場移転決定時に、東京都と親密な山崎孝明区長が「にぎわい施設」と「ぐるり公園」を条件に。なぜか汚染地盤に温泉施設を、という話になって、万葉倶楽部に決まったところ、移転延期で万葉が降りる。大江戸温泉物語が代わりになろうとかありつつも、すでにお台場にあるから、と撤退。結局万葉倶楽部が戻ってきて、2018年の移転から大幅に遅れて2024年の2月に開業することに。

北側(運河沿い)が温浴施設で、道路側がモール「江戸前市場」になります。こちらのテナントが埋まっていない、と。一応豊洲の仲卸が店を出すのと、江東区内の名物グルメなどの店舗が入るらしいです。

温浴施設に関しては、さすがにボーリングはやめて、他から温泉水を運んでくることになったそうです。もう一度書いておくと廃水プールだっ場所。そうでなくても豊洲のシアンやベンゼンはいまだに基準値以上です。

ぐるり公園からのデッキでのアクセスもできるようです。ぐるり公園には小池都知事肝いりの船着場があるので、船で温泉に乗りつけるということなのかもしれません。あるいは温泉からクールダウンのため運河に飛び込むとか。

これは工事現場の完成予想図で、だいぶ色あせていますが、手前の人物が透けて道路の影と二重写しになっています。ほかにもあちこちでレイヤーかぶりがあり、なぜ電通だかなんだかは、このくらいはちゃんときれいな仕事をしないのだろうか。そして子どもがわかりやすいですが、たぶん白人系外国人です。ほかにも小さく描かれている人物はすべて白人でした。インバウンドオンリー?しかしフランスパンを抱えている男性も描かれ(貼り付けられ)ており、豊洲市場場外『江戸前市場』にフランスパンを買いにくる設定なのかー、とあまりの雑な仕事に呆然となりました。

別に三井不動産が自腹で雑な仕事をしているなら構わないのですが、これは東京都の、しかも特別市場会計から出ています。施設全部がです。なぜなら市場敷地内だから。

 

なぜ市場に「にぎわい施設」が必要なのでしょう。市場会計で。

築地が移転するのだから、場外の「にぎわい」が欲しい?

築地場外は、民間です。

 

「にぎわい施設」はどうしても必要!!ということで、千客万来が遅れたあいだ、仮設の「江戸前場下町」がつくられました。何度かレポートしてきたように、入り口からすぐ空き店舗です。最初ここはニンジャグッズとかキティちゃんのソックスとかスシキーホルダーとか売っていたおみやげ屋でしたが、無人のガチャコーナーになって、その後それすら撤去されました。ほかにも「休憩コーナー」「PRコーナー」などがたくさんあります。

ちゃんとお客さんがいるのは寿司屋くらいです。

外ではあいかわらずキッチンカー。「豊洲江戸祭」。でもコロッケとかサーターアンダギー。

空きスペースPRコーナーに千客万来のイメージビデオが流れていました。誰も見ていませんでしたが。芝居小屋?中は商店みたいですが・・・つくりも安いけど、この映像自体がひどく安っぽい。

大阪万博がいろいろ言われていますが、東京も負けていないですね。

 

ところで、豊洲市場の関連(仲卸棟の4F)に、初めて鮮魚が買えるコーナーがオープンしています。「食べて応援」岩手・宮城・福島の三陸常磐の鮮魚を扱っている「夢市楽座」だそうです。

どうしてすべてが日本史を間違って覚えたような恥ずかしいネーミングなのか。

そしてこのポスター、変な白い横線が入っていますよね。そう、インク切れです。

 

まじめにやらないと市場がかわいそうです。