築地でええじゃないか! かわら版

築地市場が豊洲に移転して5年。卸売市場が支える消費者と商店街を守るため、東京都とゼネコンの再開発事業の動向をウォッチ。

新宿港町行進へ、ええじゃないか!うちわ部発足。


低度プロフェッショナル・うちわの流儀

 

お待たせいたしました!
いよいよ、築地でええじゃないか!新宿港町行進が今年も開催されます!
まもなく詳細発表 !
今回は「なるほど築地がええじゃないか!」として、次々明らかになってくる豊洲新市場の問題に比べ、圧倒的に優れた築地、を、アピールします。
梅雨入り間近?もう梅雨入り?と、お天気が心配ですが、大丈夫。築地でええじゃないか!デモには水神様がついているので、必ず晴れます。
 
ええじゃないか、ええじゃないか!と、音頭のリズムで踊りながら行進するのに欠かせないアイテムといえば、やっぱりうちわ
今回は「築地でええじゃないか!うちわ部」が大幅拡大。
うちわの大量生産を行い、参加の皆さんにお配りします。
 
そんな手作りうちわの魅力に迫るHow to (Re:)make うちわ
写真つきのわかりやすい解説と、冒頭の楽しい動画で、あなたも低度プロフェッショナル !
これを見て、オリジナルのお魚うちわを作って持参していただくのも大歓迎です。もちろんノーギャラです !
 

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1.うちわを入手する。
なんとかカメラとか、なんとかカレーとか。
選挙でもらったらダメです。
 

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2.表面を濡らして紙を半分剥ぐ。
破れうちわみたいにします。もともと破れているうちわの再生にもなりますね。
全部剥がないことがポイント。縁と一部分を残して、のりしろにします。
この作業は、元の柄が透けないためと、軽量化のためです。
めんどくさければ省いてもいいです。
 

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3.内径(柄の側)を切る。
新しい貼紙をうちわに当て、元の貼紙の持ち手側の弧にあわせて、爪などで形をとり、その線で切ります。
キモとなる作業です。丁寧に。
たくさん作るときには、一枚当てて切り取り線を決め、それを型紙にして切ってください。
 

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4.木工ボンドで貼る。
ボンドはできれば速乾性のものを使いましょう。
紙の上などに出して、ヘラ(ボール紙などでもよい)でうちわの方に(紙には塗らないこと)薄く塗ります。
縁と、さきほど剥がして紙が浮いているあたりを重点的に。
塗ったら新しい貼紙を内径から先にあわせて乗せます。
透かして微調整をして、貼紙の絵柄がきちんとうちわに収まるように貼ってください。これも慎重に。
決まったら、ばれんでこすります。
版画用のばれんがなければ、コップの裏にダンボールを貼ったものなどでも充分です。
 

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5.プレス・乾燥。
百科事典(ウィキではない)などを乗せてしばらくプレスし、はずしてからさらに乾かします。
よく乾かさないと、切ったときに切り口がよれます。
急ぐときは扇風機などに当てるとよいでしょう。
 

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6.外径を切る。
完全に乾いたら、貼紙を下、骨を上にしてカッター台などに置いて、うちわの縁の紙を切り取ります。
カッターはふつうのものでかまいません。
このとき、カッターを動かすのではなく、必ず!!うちわを回すようにして切りましょう。
ちょっと失敗したり、よれたりしたら、後でボンドを軽くつけて押さえます。
 
7.裏側も同様に貼る。
 

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8.裏も切って、完成です。
試しに持って踊ってみましょう。
 
デモだけでなく、お祭りや盆踊り、BBQなどにもどんどん持参してくださいね。

波除神社つきじ獅子祭

今週6月6日(水)~10日(日)築地場外の波除神社では最大のお祭
「つきじ獅子祭」が行われます。

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あの、お手水のところの「お歯黒獅子」をかつぎだし、お神輿が場内を通って船に乗り(8日)、浜離宮からふたたび築地に戻って各町内を練り歩く(9日)スケールの大きなお祭です。
赤い「お歯黒獅子」は女性のお獅子なので、宮出し・宮入りは女性の担ぎ手で行うそうです。黒い「天井獅子」は山車で後からついてくるそうです。なかなか進歩的ですね。
詳しいスケジュールは波除神社のHPで。
メディア等では「築地最後の獅子祭」などと喧伝することが予想されますが、そのフレーズを目撃したら、考えてみましょう。
波除神社と魚河岸との深い関わり。
巡行コースが場内・場外をつないでいること。
お神輿が場内の水神社を参拝すること。
これぞほんとうの、伝統ある築地ブランドです。
ぜひお越しになって、確かめてみてください。
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第二回豊洲市場習熟訓練レポート(後):コールドチェーンは嘘?

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去る5月16日に豊洲新市場で、第二回目となる「習熟訓練(水産部門)」が行われました。
今回はそのレポート後編・豊洲の売りである「閉鎖型」はほんと? というお題でお届けします。
 
この訓練は、ターレやフォークリフトを搬入しての、デモンストレーションでの実演など。
7街区(大卸)①搬入→②積下→③移送→④分荷・仕分け→⑤配達
315線下連絡通路(アンダーパス)でのターレ、小車のレーン交差実演を経て
6街区(仲卸)①店舗陳列→②積み込み→③4F積み込み場への配送→④3F、7街区飲食店への配送
のトータル2時間半のプログラムを、8時からと10時からの2セット行いました。
前記事では仲卸棟店舗までをリポートしました。
 
次は③の4F積み込み場への配送(④は省略された)、あの、ウワサのターレスロープのヘアピンカーブの出番です。

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と、思いきや。
「デモンストレーションを見る方はエレベーターで4Fに行ってください。ターレもエレベーターで上がります」とのアナウンス。
あのスロープに習熟しないで、何に習熟するというのでしょうか。

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    参考:築地で現在運用されているターレにつける台車。これは空荷の状態ですが、この台車を三連につなげて全部に荷物を山積みして走ることもザラです。

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スロープの問題のみならず、エレベーターも台数が少なく、渋滞するのではないかと予想されていますし、ターレで乗降するときは、いちいち下車してエレベーターの呼びボタンを押すのも気になりました。物流のエレベーターは壁と手前の柱と両方に操作ボタンがあって、乗ったまま押せるものも少なくないと思うのですが。
 
たぶんターレに台車をつけるのも豊洲では禁止、なんでもゆっくり、ちょっとずつ運ぶというルールで運用する前提なのでしょう。ただし、モノは魚です。

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4Fの積み込み場への出入り口もこの狭さ。それは、ここまでがコールドチェーンで屋内の空調を維持するためだそうです。
 
しかし、1Fから4Fまで、ひっきりなしに荷物の搬出入を行っていると、ドアは結局開きっぱなし。大卸棟は大物(マグロ)から鮮魚、特殊、活魚まで建物の中は壁なしでつながっています。
 
そもそもこの「コールドチェーン」、設定温度は何度だと思いますか?
生鮮食品の鮮度を保ち、安全に取り扱う、というと、冷蔵・冷凍の温度を想像しますよね。
しかし、豊洲の「コールド」は摂氏25℃です。全体を25℃に安定して保つために、トラックを縦付けし、狭いシヤッタードアからフォークリフトを出入りさせ、出入り口を極端に少なくしているのです。25℃といえば、真夏日です。もっとも、オフィスビルの冷房設定は28℃とされていますから、そうした感覚で決められた可能性もあります。
たとえば冷凍のマグロをセリにかけるための下見に出すときには、箱から出してスノコの上に置かれます。築地の卸見学でよく見るあの絵ですね。セリは早朝なので、夏でも20℃を超えることは現在のところありません。

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そして築地全体の運用においては、各種の魚介類は発泡スチロール箱の中に氷とともに入れる方法で「コールド」を保っています。
豊洲には、氷を作る施設がありません。当初から指摘されていましたが、いまだに解決はされていません。
 
コールドチェーンは嘘だ」と、見学していた仲卸さんからも発言がありました。
 
さらに、閉鎖型市場で衛生的、といわれていますが、出入りするのは空気だけではありません。
ターレ自体が、屋外を走行してきたトラックのバースを走るため、結局屋外の土やほこりは持ち込まれてしまいます。どうやら設計当初はそのことが見落とされていたらしく、この積み込み場出入り口には後付けで「消毒マット」が置かれることになりました。
しかし、その消毒マットのスペースがこの状態です。

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4Fのトラックバースからはスロープで下の道路に降りることになりますが、出入り口はこのとおり。湾岸の景色が眺められて楽しい、とかではなく、結局
フルオープンなので、土もほこりも落ち葉もすべて吹き込んできます。そして吹き込んだものは中に留まります。

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別日の都民見学会に参加した人からも、靴の上にビニールカバーをさせられたのに、そのカバーのまま屋上に出て、また入るコースになっていた、という証言がありました。しかも、習熟訓練の日はビニールカバー等なしで全館を自由に歩き回ることができました。衛生をうたっている割には、とにかく杜撰な単純ミスが目立ちます。
気がつけば、わざわざターレ走行のためにビニールシートを貼った仲卸棟の通路に、大量の土が落ちていました。
豊洲は床に水を流すことができず、排水溝もきわめて浅い、と指摘されています。
 
仲卸店舗内での業務ひとつとっても、さばいた魚から大量のウロコや脂が出ますが、まな板をざぶざぶ洗うことができません。
敷地内には「実益者(スーパーや大手外食など)の要請により」新たに「加工パッケージ棟」が作られていますが、これはいまだに未公開です。そして仲卸のフロアにある仲卸用の加工スペースが「使えないくらい狭い」という声も上がっていました。
 
さらに、吹き込んできた土がそのまま滞留するようなこの「閉鎖型」コールドチェーンはどうやって清掃するのでしょう。
そもそも土壌が有毒で、地下水が上がってきており、それをモニタリングし続けながら運用する市場が「衛生的」といえるでしょうか?
 
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シンポジウム、写真展、雑誌 !!

今週土曜日6月2日13:30~御茶ノ水明治大学リバティ・タワーにて、
築地市場の行方/第二弾~築地を守り、豊洲もいかす!」
と題したシンポジウムが開催されます。
出演は宇都宮健児さん(弁護士)、(前記事・卸売市場法について発言された)中澤誠さん(築地市場仲卸)、菅原邦明さん(仙台中央卸売市場)、森山高至さん(建築エコノミスト)の、豊洲移転問題に関してアクティヴに提言を続けているみなさん。口調も明晰な論客揃いで、中澤さんに言わせると「エンターテインメント系のシンポジウム」だそうです。
 

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写真展のお知らせです。
築地通ドイツ人フォトグラファー:イワン・トスカネリさんが築地で働くひとたちをスタイリッシュにとらえた肖像写真「築地プライド」が、好評を受けて再度築地で展示されています。今回は場外の三ヶ所で展開します。
仲卸の店舗の一角にスクリーンを張って「スタジオ」を作って撮影した、築地ならではのイキでいなせな男前(女性も)の肖像はまさに築地ブランド。
築地プライド
~2018.6.9(土) 水曜・日曜休み
築地魚河岸・小田原橋棟&海幸橋棟 9:00~15:00
築地よりみち館(四丁目交差点KYビル2F:一階が銀だこの建物) 9:00~21:00
来週6月6日~10日は波除神社のつきじ獅子祭です。ぜひあわせてお越しください。
 

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 豊洲市場について建築家の目線から新たな考察がなされた雑誌が発売中です。
建築ジャーナル2018.5月号
特集「豊洲市場とは何か」
900円+税
建築ジャーナル社発行
専門誌のため取扱店は少ないですが、ネット通販ではバックナンバーも含めて取り寄せが可能です。
豊洲の問題点だけではなく、その構造がいったい何を変えるために作られているのか。それは私たち消費者の生活をどう変えようとしているのか。あらためて考えさせられます。
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卸売市場法とは?

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今国会で改定案が出されている「卸売市場法」
その名のとおり、築地市場のあり方を変えてしまう法律です。
 
築地だけではなく、築地に魚を卸している全国の生産地市場、東京などの消費地にあるその他の市場(東京なら築地以外にも大田、淀橋など10の市場があります)のすべてが、密接につながって、食品の流通はなされています。つまり、日本に生活するすべての消費者にとって関係のある法律です。
 
5月23日の衆議院農水委員会で、築地市場の仲卸・中澤誠さんが参考人として、現在の卸売市場法がいかに重要で、食と消費を守っているのか、を、発言しました。
改定案を推し進める側の与党議員も驚いて、付帯決議をつけるべきではないかと考え始めたともいわれるほど、卸売市場の役割を明快に解き明かしている参考人意見です。
法律の話ではありますが、業界のひとだけではなく、消費者にもわかりやすい言葉で、丁寧に話されています。
 
築地市場の移転問題をトータルな視野で、より詳しく知りたい、という方はもちろん、単純に築地の場内ではどういう目的で、あの取引がなされているのか関心がある、という方にも必見の9分間です。ぜひごらんください。(Flash等のプレーヤーが必要です)。
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第二回豊洲市場習熟訓練レポート(前):豊洲市場の狭さと危なさ

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第二回豊洲市場習熟訓練レポート(前):豊洲市場の狭さと危なさ
 
去る5月16日に豊洲新市場で第二回目となる「習熟訓練(水産部門)」が行われました。今回はそのレポート前編・荷物の動線豊洲の「狭さ」についてお届けします。
 
この習熟訓練はターレやフォークリフトを搬入しての実走がメインだったのですが、むしろマスコミ向けのデモンストレーションの面が強かったようです。
実演のプログラムは
 
7街区(大卸)①搬入→②積下→③移送→④分荷・仕分け→⑤配達
315線下連絡通路(アンダーパス)でのターレ、小車のレーン交差実演を経て
6街区(仲卸)①店舗陳列→②積み込み→③4F積み込み場への配送→④3F、7街区飲食店への配送
 
のトータル2時間半のプログラムを、8時からと10時からの2セット行うこととなっていました。
実際には大卸の部分は一ヶ所でまとめて検品の行程を行うという、実際とはことなる省略型のものであり、仲卸の部分にいたっては店舗での荷下ろしなどを省略、飲食店配送も省き、2時間程度で終了するというものでした(10:00からのプログラムの場合)。
 
前回の習熟訓練よりも、場内の業者さんだけではなく仕入れの買出し業者さんが多く見学に来ていた印象がありましたが、そうした人たちも最初の大卸の積み下ろしなどのデモンストレーションには集まっていましたが、必要ないと判断したものか、後半はほとんどマスコミと都の職員、一部業者さんだけが見ている状態でした。

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まず、大卸ではフォークでの品物の搬入。築地で多く使用されている2.5トンのフォークではなく、1.5トンのものでツメ(荷物を載せる部分)も短い仕様のものをなぜか使い、そのおかげか、問題とされていた床が耐荷重不足で抜ける、という事態は発生しませんでした(ドリフではないので、一発でいきなり抜けるということは考えにくいですね。毎日使っているうちにじわじわとヒビや傾きが生じるのではないでしょうか)。

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   (参考:築地市場での2.5tフォーク)

この荷物は1パレットあたりが10分の1の個数で実演され、中は空のトロ箱です。カツオ、アジなどの他に3Fの塩干に搬入するものや混載(実際はこの日は分荷しなかった)のものが想定されています。
 
なお、築地では大卸区画は非公開となっていますが、トラックが直接大卸店舗まで入ってこられるため、荷物はそこで下ろし、検品も下ろした場所ですぐに行うことが多いそうです。見学していた業者さんが都の職員に「仲卸はここまで(荷物を)ターレで取りにくるの?この動線じゃ間に合わないよ。(建物全体に)要らない通路ばっかで余計なもんばかり作って」と、早くもぼやいていました。
 

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次にアンダーパスのレーン交差(上写真)と、仲卸棟での走行。
特に仲卸棟は東西通路に店舗が並び、それと交差する形で、南北には南側が大卸、北側に買出し人のトラックバースという、市場への入荷から市場からの出荷に到る動線になっています。垂直・碁盤目の交差はわかりやすく見えても、実際市場の動線として考えると、大卸→仲卸→出荷という流れが分断されているので、むしろ混乱しているわけです。
そのことは実演する側もわかっていたようで「垂直に行きかうことになりますから注意して走行してください」とアナウンスしていました。

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    (仲卸棟での走行。マスコミは多いが、この頃には見学者が減り、ほとんど都の職員ばかりに)
さらに、この実走中は「速度を守ってください(時速8kmが原則。ターレにはメーターがないので、実質は不明だが、築地では倍くらいのスピードで走っているそう)」「左側通行を守って」とひっきりなしにアナウンスされていました。
 
ところが、ごつん、という音がして、車体が接触。
このスピード、この通行量で。しかもこの日二回目の実演なのに。
「これはターレで死亡事故が起こる」と見学者の声。
 
築地での現状の運用はこんな感じ。

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    (荷物の積み方も注目。豊洲での実演に対して「こんな整然と積むことはありえない」との声も上がっていた)
これは11:30ごろの茶屋付近なので、ピークはこんなものではありません。
ターレ、フォーク、小車、台車、自転車、スクーター、ワゴン、トラックに加え、観光客までが行きかっています。
豊洲はそれに比べれば整然としたもので、築地でターレを走らすことができる人ならたやすい、とみえるかもしれません。
 
しかし、この築地のオープンな空間に比べて、通路ごとに区切られた豊洲は圧倒的に狭いのです。
特に仲卸棟は細かい碁盤目に区切られた区画なので、縦横に別の動線がクロスするのはとてもやりにくい。また、仲卸店舗の表にはそれぞれに歩行者通路(1m程度の幅)があるため、結局歩行者もターレとクロスすることになります。四つ角は仕切り壁がせり出しているため、品物が入ればさらに見通しも悪そうです。
事故を避けるためには、徐行して、荷物も少なく積む(ターレにも、店先にも)しかありません。
東京都は平然とそうした説明をしていますが、もしかしたらコールドチェーンだから、モノが鮮魚でもゆっくり運んで大丈夫、ということでしょうか。
たとえ鮮度の問題がそれでクリアできるとしても(コールドチェーンの嘘」問題については後編にて)、入荷から、買出し業者の営業まで、すべてにおいてスピードが求められる魚河岸として、これでは成り立つでしょうか。
 
ターレは現在、築地の仲卸500店舗が少なくとも1台ずつは所有していて、全部で1500台程度走っているそうです。
 
この日は豊洲での仲卸店舗の閉店時のシャッターとターレの充電スペースのことなども言及されていましたが(そもそもターレの充電が当初は考えられていなかった)、仲卸の裏のターレ通路だけでまわそうとすると、通路がターレでぎゅうぎゅうになってしまうという指摘もありました。全台がつねに走っていればいいのかもしれませんが、当然お店ですから荷下ろしや荷物を積むまでは停車しているわけです。そうすると、他のターレが出られないということも起こりえます。
 
豊洲新市場の全体の敷地面積は築地よりも広いのに、運用できる空間が狭いのは、建物が分断されているから、だけではなく、バッファ(隙間)がないせいである、というのは、建築関係からも指摘され続けていることですが、市場としてこれは致命的です。
現代の建築において、オフィスや学校などでも最先端のものでは、コモンスペース、可動性のある空間や誰でも自由に使える座席や空間というものが取り入れられています。
しかし築地では、あるいは出荷元である産地市場や漁港などでもこうしたコモンスペースという考え方は昔から機能していました。
たとえば荷物の上げ下ろしはそれぞれで時間が異なるのですから、広い公共空間を取っておいて、順に使っていけばいいわけです。築地では入荷のトラックも出荷のトラックも同じ空間を利用しているケースが多くみられます。それも荷物の量や到着時間の遅延などに応じて、臨機応変に。
 
もしも豊洲に市場が移ったら、魚がすべて同じ規格になり、買出しの数も一定になり、入荷・出荷もタイムテーブルにのっとって進行するのでしょうか。
移転を計画する側は、どうやらそうした未来を想定しているのかもしれません。とはいえ、今年10月に、いきなり魚の形がピタリと揃う、ということがありうるでしょうか?
そして、消費者として、そんな魚が買いたいのかどうか、もう一度そこから考えてみませんか?

今週末は豊洲会議&かわら版くばりまつり

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16日には豊洲新市場で第二回の習熟訓練が開催され、思いっきり徐行運転でのターレやフォークの実走がなされましたが、ますますい勝手の問題点は明らかになるばかり。さらに江東区との千客万来施設をめぐる交渉も暗礁に乗り上げています。
そして、豊洲の根本的な問題点は、なんといっても土壌汚染。
 
今週土曜日は以下の講演会が築地市場お向かいの朝日新聞で行われます!
「専門家と市民による豊洲会議・第一弾・汚染物質封じ込めで地質汚染は大丈夫か!?」
2018.5.19(土)13:30開場/14:00~16:30
朝日新聞社東京本社・2F読者ホール
 
また、あわせまして引き続きかわら版くばりまつりも実施します。
講演会に来る前にお時間のある方は、ぜひご協力ください。
場所と時間がいつもと違いますので、ご注意!
 
5.19 築地でええじゃないか! かわら版くばりまつり in 築地市場橋門
 2018年5月19日(土)
12:00~1時間程度
築地市場橋門手前(もんせき通り・にっぽん漁港市場入り口付近駐車場前)
 
[ご注意]
雨天中止です。
中止のときは、当日10:00までにこのサイトで発表します。
ちらしは紙なので、小雨でも中止する可能性が高いです。
 
プラカードは築地関連のものだけでお願いします。
浴衣や祭衣装、魚かぶりものなど、目立つ格好も歓迎です。
でかいトラメガはご遠慮ください。小さいのは可。
対象が通行人の方々なので、動画・写真撮影はご遠慮ください。
 
ひとりでもやりますが、大勢来てくれたらうれしいです。