築地でええじゃないか! かわら版

「新宿港町行進」や築地場外、都庁前などで配っているかわら版をアップしています。転送・印刷配布ご自由にお使いください。

市場にいちばん遠い市場:豊洲新市場・土曜マルシェ

お待たせしました!
築地市場お買い物ツアー」いよいよ2月5日(火)再スタート。13時正門前にお集まりください。
詳細・直前状況は右記「みずのやさんのTwitter」でご確認ください。
 

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豊洲新市場では、1月12日から毎週土曜日に「Oishii土曜マルシェ」なるものが始まりました。
東京都は豊洲に「賑わい創出」することに執着しており、地元住民や観光客を呼びこもうとしています。そのため、計画が延期となっている青果棟前の「千客万来施設」用地を利用し、今後もこうしたイベントを計画するそうです。
予算は1億8000万円。
特別市場会計で。豊洲新市場は年間140億円の赤字なのに。
しかも千客万来施設予定地が、市場への本来業務の動線の邪魔をしているというのに。
 
 たしかに豊洲新市場では、築地と違って一般客が市場の品物を買うことができません。年末には一部の仲卸業者さんからは一般開放して売り上げにつなげたい、という要望があったようです。
それでも「閉鎖型」をうたっている以上(実際破綻していても)、また、ターレの人身事故が多発していることをさすがに見過ごせなかったのか、一般開放は実施されませんでした。
このイベントでは「市場にいちばん近いマルシェ」として、鮮魚・青果・関連の売店を出し、またキッチンカーでは豊洲の食材を使ったメニューを提供する、としています。
 豊洲の敷地を俯瞰してみるととても小さいイベントです(トップ写真)。

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飲食は、キッチンカー5台と、飲み物の車が1台。メニューは1台がワンテーマで、シラス鯖丼だけの店、フィッシュ&チップスの店(ビールなし)、スズキのロティ・マルセイユ風の店、というような形です。このテのイベントとしては選択肢が多いほうではないですね。価格は700円台からあります。
筆者が行ったのは1月26日(3回目)、11時にはキッチンカーにはほとんど人は並んでいませんでした。

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豊洲新市場の海鮮丼や寿司の値段がとんでもなく高騰していて、さらに行列が1時間以上という状況ですから、それに困った人たちにはいいかもしれません。中に入ってあきらめて、そのあとこちらに来た人もいるでしょう。

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しかし、市場を観光に来て、市場メシを食べようとしていて果たせず、駐車場で、市場の店ではないキッチンカーで食事。観光客としては、残念な失敗体験になってしまうのではないでしょうか。
 
そして「市場の商品が買える」ことをうたったマルシェ。
これだけです。

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鮮魚の「いなせり」。買い物不便地で見かける移動店舗のようですね。それよりもずっと品数は少ない。

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関連。屋外でも並べやすく、一番買いやすい品揃えだとは思うのですが、単なるショーウィンドウのようです。
 
築地の場内を思い出してください。あるいは場外の賑わいを期待して来た人に、これがどう見えるか。
 

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おしゃれだ、季節感を出している、頑張っている、と、三つの中ではかろうじて評判のいい青果ですら、たとえば都内で人気の高い有楽町交通会館のマルシェに比べれば、規模もアイテムの独自性・専門性も弱いように見受けられました。
 
せっかく企画に協力して努力しておられる市場の業者さんには申し訳ないですが、あまりに規模が小さく、これがどれほど仲卸や関連の売り上げにつながるでしょうか。
豊洲新市場の構造的赤字と取扱量激減(水産が1000t/日を切ることが常態化している)の前で、この出店の労力に見合う効果が得られているのでしょうか。
もちろん、このイベントだけで売り上げを立てることが目的ではないでしょう。しかしマルシェに来た地元住民や観光客が、今後豊洲新市場に益するかというと、それも疑問です。結局、しょせん駐車場みたいな場所の片隅でやってたイベントに来た、としか思えない、それだけではないでしょうか。
 

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ステージ・イベントもあります。かつお一本釣り体験」
重さ3kg(お子さん向けなので仕方ないとはいえ、よく見る「一本釣り」の絵のカツオは10kg近い)のカツオのはりぼてを、ステージ下から釣竿で引き上げる・・・この体験がどう見えるかは、読者の判断におまかせします。
筆者としては、せめて進行役の男性がコートではなくそれなりの格好で大漁旗くらい持てなかったものかと・・・
 
大義名分としては、遠回りであっても、こうして「市場に親しみを持ってもらい」「食の流通への関心を高めて」「食文化を守る」と、いうことなのでしょう。
築地を壊して、売り上げを落としておいて、何をかいわんや、です。
 
それに、東京都がマーケティング会社を使ってわざわざテコいれをしなくても、多くの市場では自発的に「親しみを持ってもらう」取り組みをして、成功しています。
前述の川崎幸市場の「いちばいち」や「足立市場の日」、ほか、各市場でも一般開放が月イチ程度行われており、かなりファンも多い試みです。
 
 
それらと豊洲新市場の最大の違いはこうした「場内からの自発性」が感じられるかどうか、そして「市場にいちばん近い」と言いながら、このイベントに市場そのものがない、来た人たちが市場を見ることが(でき)ない、というところです。
一回30分のガイドツアーもありましたが、豊洲動線では30分では1棟を見るだけでも駆け足、しかも実際に売買しているところは見られません。その場にいるにも関わらず、ヴァーチャルな見学コースしかないのです。その代表が、この仲卸の「見学窓」でしょう。

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卸売市場は、プロのための取引の場であり、観光や見学というのは二次的なものです。
しかし現代において、食品市場には「食育」の役割も求められており、また、市場経由流通を維持するためにも消費者に対するアピールが必要です。
 
しかし、この「土曜マルシェ」だけではなく、今、豊洲新市場に大勢やってきている観光客は、市場に来ているのに市場を見ることがない、見られない構造になっています。
その結果、多発する「つまらない」「もう来ない」という感想は、観光地としての問題だけではなく、消費生活における市場の魅力そのものに関わってきます。
次回以降、豊洲場内の関連店舗や、築地場外の現状をレポートしていきます。
筆者は、豊洲新市場には一般客を排除すべきだと思っていますが、関心のある方はご自身の目と足で確かめることが大切です。おもしろい場所ではありませんが、一度おはこびください。
 
そして、東京都はロコツに築地の再開発を打ち出してきています。報道にあるとおり「食のテーマパーク」もなくなり、唐突な国際展示場、カジノが予想される複合施設。これは場外にも必ず波及する問題です。
まずは、場外におこしください。
そしてほんとうの賑わいを守るため、パブリック・コメント(2月21日締め切り)を送りましょう。
 
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