築地でええじゃないか! かわら版

築地市場が豊洲に移転して5年。卸売市場が支える消費者と商店街を守るため、東京都とゼネコンの再開発事業の動向をウォッチ。

大田市場に行ってみよう(後編)

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夏休みも終わり、お子様たちの自由研究も片付いて、ほっとしておられる皆様。前回お伝えした大田市場見学レポートが少しでもお役に立っていれば幸いです。
 
さて、大田市場といえば、実際は魚よりも野菜。一日の取り扱い金額11億3200万円、占有率51%で都内最大、つまり日本最大の青果市場です。
前編で書いたように、青果と鮮魚は4つの建物が連続して配置されており、青果は3棟。見学コースとしては、屋上から青果の入り口まで戻っていくと、卸・仲卸両方をぐるりと一周できる2Fの通路に入ることができます。
青果卸は4社、仲卸は301店舗166業者、建物は中ではひとつながりになっており、なんと71,000㎡!全体が広大な体育館のようなフロアです。
一番左側が卸のトラック・バースに続いており、品物はここから入荷。鮮魚と左右対称になっています。
時間帯によるのかもしれませんが、トラックが直接中に入ることもでき、天井が高くバッファのある場内では、ウイングを開けて直接フォークで積み下ろしすることができます。青果は同じ品物が大量に入出荷しますから、当然ですね。まさかいまどき天井が低くてウイングが開かない市場があるわけがないですが。

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見学通路にもセリについての説明などの看板が少しあり、6:50のセリにはこの真下に何百人もの売買参加者が居並ぶと思うと壮観です。ちなみに、この説明看板は日本語のほかに英語・中国語・ハングル文字の三ヶ国語表記で、点字もあります。まさかいまどき公共施設で英語の案内しか申し訳程度にないところがあるわけがないですが。

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鮮魚と違い、青果は昼間でも品物が入荷したり移動させたりがあるので、ターレやフォークが大量の野菜のダンボールを動かしているところを見ることができます。見渡す限りのダンボールやケースの中は全部野菜や果物。これが毎日都民の胃袋に入ると思うと、圧倒されます。まさかいまどき2.5tのフォークが使えない市場があるわけがないですが。

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仲卸のお店はよく見ると一軒づつが蔵づくり風。1階に商品を置いて、2階が事務所のようです(鮮魚も同じつくり)。
豊洲の仲卸もこうしたデザインがされているのですが、鮮魚については天井が低く、2階に事務所を置くような有効活用ができません。まさかいまどき2階にハシゴであがる市場が、と、書こうと思いましたが、築地もそうです。豊洲は変なところだけ築地を踏襲しましたね。
 
ともあれ、大田の青果は、広大な空間を効率的に商品が流れていく様を上から一瞥することができ、卸売市場の仕組みを知るためには、豊洲よりもこちらの見学コースの方がビジュアル的にわかりやすいようです。
 
ついでなので、築地にはない花き(かき)市場を見てみましょう。花きを扱うのは都内11市場のうち5カ所。1988年に北足立から始まった、比較的新しい制度です(それまでは花きは民営)。
花きは敷地が違うので、一度正門を出て、首都高速の下をくぐって敷地西側に回ります。花き正門から入り、奥の玄関棟へ。

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仕入れには、青果や鮮魚とはまったく違う業者さんが来るのでしょうから、この遠さは問題にならないと思いますが、見学者にとっては徒歩約15分。セリは7:00なので、両方見るのは不可能です。
ここはモニターを使ったセリ場が二カ所(切り花と鉢物)、参加者は椅子に座ってパソコンに入力してセリ落とします。
見学コースには展示コーナーやフラワーアレンジメントがなされ、見本市の役目もしています。

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売り場全体はコンベアーや、ムカデのように連結されたターレが走り(花は重ねて積むことができないものが多いので)、ハコ車に鉢物が積まれた光景は、大きな園芸センターのよう。
ここでは仲卸から一般の方も買えるらしいので、活け花教室とか、100万本のバラを贈りたい方はどうぞ。
 
さて、最後は一般の方がいちばん楽しめる、関連棟。青果棟と鮮魚棟のあいだにありますが、上からではなく、青果荷捌き場のあいだを通って路面からアプローチできます。

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こんな感じの通路が二本。ちょっとした商店街風です。大田には場外はないので、飲食や一般客の買出しはこちらで。
市場グルメの飲食店は海鮮や寿司がめだちますが、ラーメンや中華、ステーキなどもあり、幅広く楽しめます。用度品や乾物ももちろんありますし、ヤマザキパンや、衣料品店、書店、なんと整体も。あと、卸での扱いはないのに、肉屋があり、業務用にしては少なめ、家庭用には多いかな?というロットで売っていました。
1988年開設ですが、昭和レトロな香りのするお店も多く、シブい喫茶店好きも訪れる価値があるかもしれません。

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「コーヒー・ハトヤ」さんに入ってみました。メニューがやたら多く、定食20種くらい、うどん、ラーメンにピラフやスパゲティも何種類もあります。ママさんはもれなくお客さんを「社長」と呼んでくれますよ。写真はシーフード・ハンバーグ。なんだろうと思ったら、シーフードミックスの入ったポテト(コロッケの中身みたいな)を焼いたものでした。
 
では、大田市場のいいところをまとめてみましょう。
・建物のあいだに道路がはさまっていない(花きをのぞく)。
・大型車の入出場の道路が複雑になっていない。
・荷物の入荷からセリ、分荷、出荷まで一定方向で流れていて、動線が交差しない。
・基本は平場なので、縦方向への移動は最小限。
・荷下ろし、荷積みのバッファが確保されている。
・トラックが場内に入ってウイングを開けることができる。
・通路が広く、ターレが走りやすい。2.5tのフォークが余裕で使える。
・仲卸店舗に余裕がある上、通路に商品を出して陳列できる。
・関連店舗はどこからでもアプローチしやすい(花きをのぞく)。
・見学通路から売り場がよく見える。
あたりまえのことを並べていると思いますが・・・この「すべてができない」のが豊洲新市場です。
 
30年前、スーパーなどの大量流通に対応した市場として設計された大田市場。品物を運び込んで、セリをして、ふたたびトラックで積み出す、という動線を広大な敷地にシンプルに展開した、非常にわかりやすいつくりの市場です。あたりまえですが、わざわざ広いところに4階建てにして商品をエレベーターで移動させたりはしません。このつくりは、30年たっても確実に機能しています。築地のような専門性のある市場とは異なりますが、大量流通を支えるには、最低限、この機能が必要なのは、実際に大田市場を見てみれば一目瞭然です。
私たちの舌を満足させる築地に対して、毎日の胃袋を満足させているのは大田市場かもしれません。
 

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豊洲市場は現在「安全宣言」に基づいて、農林水産省認可申請を出しています。
農水省は食の安全と、流通の安定を守る義務があります。
巨大な人口を抱える首都圏の市場に欠陥があれば、食品流通はたちまち危機に陥ります。
開場してみたらダメだった、ではすまないのです。
大田は移転に慎重な意見をくみいれ、青果と鮮魚の開場時期をずらしました。
築地を閉鎖してから豊洲を開ける、などはとりかえしがつかないことになります。
 
豊洲市場を認可しないで」。
農水省に声を届けましょう。
100-8950 千代田区霞ヶ関1-2-1
農林水産省 消費・安全局 消費者行政・食育課
FAX:03-3502-0594
**
引き続きこちらもよろしくお願いします。
都庁に声を届けましょう
Send your Message to Tokyo Met-gov.
東京都的網站上発送信息
 
宛先はこちら。
FAX:03-5388-1233

大田市場に行ってみよう(前)

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よい子のみんな~!夏休みの自由研究は終わったかな?
今年の自由研究は「卸売市場(おろしうりしじょう)」はどうだろう?
東京都なら、今話題の豊洲新市場。
これまでみんなに美味しい食べ物を届けていた市場(市場)が、どう変わるかを調べてみるといいよ!
でも、実際に豊洲に行くのは遠いし、面倒くさいし、暑いし、見学してもよく見えないし、コンビニもないし、何といっても地面から毒のある水が垂れ流しだから保護者の人が心配するよ。
だから、豊洲には絶対行ったらダメ。
実際に行かないで、森山高至さんのブログを見て、コピペするのがお勧めだね!マンガやアニメを使った比喩(難しい言葉だね。意味を調べてみよう)もたくさんあって、わかりやすいし、乗り物大好きなみんなにも超お勧めだよ!

もちろん、卸売市場の研究なら、日本の、いや、世界の卸売市場のラスボス、築地市場を見てみないと始まらない。
でも、築地の場内というラスボスにたどり着くためには、場外という恐ろしいダンジョンが周りを囲んでいるんだ。場外ダンジョンは、最近はお魚やお寿司だけじゃなく、みんなが好きなスイーツとか、保護者の人たちが大好きなビールというトラップも増えていて、これにハマると、抜け出せなくなっちゃうんだよ!

そこで、今日は豊洲でも築地でもない、東京都の全部で11ある市場のうち、都内最大の大田市を紹介しよう。

築地市場がなくなっちゃったら、豊洲は「遠いし」「不便だし」「安全じゃないし」「ブランドないし」と言って、困っているお店屋さんの大きいお友達!あの「孤独のグルメシーズン7」で大評判の八丁堀シブヤさんみたいに、移転したらやっていけないから閉店します!と、言ってしまうのは、ちょっとだけ待って。
まずは、移転を止めること。
それでダメなら、大田市場か足立市場に行くかなぁ、と考えているなら、よい子のみんなと一緒に、大田市場を見てみよう。

大田市場は1989年に大田区の湾岸エリア・東海に作られた新しい巨大な市場。
秋葉原にあった神田青果市場(やっちゃば)が移転(移転って距離じゃないね。いろいろ大人の事情があったんだ)し、荏原・蒲田・大森市場と合併する形で作られました。できる時には、やっぱり移転したら不便とか、土地転がし(大人の事情)だとか、いろいろ問題が出て、反対も多かった。
それに、これだけ大きな市場が突然稼働することになるのは、うまくいくかどうかわからない、ということで、青果と鮮魚は時期をずらして開場させることになった。その間元の市場ももちろん残してね。だって失敗したら、都民のご飯が困っちゃうから。昔の人は慎重で、今より賢かったんだね。

昔(お父さんお母さんが子どものころ)は、市場はもっとたくさんあった。京成電鉄に青物横丁って駅もあるし、都内にもあちこち「青物市場」とかの地名が残っていることもあるね。ちょっと前までは、野菜は東京でもたくさん作られてたから、地域ごとの市場に運ばれ、近くのお店が買いに来ていたんだよ。だから都内にも小さい市場がたくさん必要だった。
でも、野菜も遠くから運ばれてくるようになって、地元の小さいお店や商店街も減ってしまったから、大きなトラックがどんどん搬入して、また大きなトラックで運び出すことのできる広くて(でも遠いとこにある)まとまった卸売市場が必要になってきたんだ。それが大田市場。
もちろん東京は人口が多いから、そういうのも必要だけど、小回りの利く地産地消も、両方必要なんだよね。

大田市場には、公共交通なら大森か品川からバス。早朝は本数が多いけど、昼は少ない。どっちからも20分以上かかるけど、大森の方がちょっと近いかな。保護者の人の車で行くか、近所のお店が「豊洲に行きたくないから下見に行く」なんて行ってたら、乗せてもらえるといいね。ここに毎日公共交通で行くことを考えると大変だ。

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バスや車は、住宅地では見たことのないような大きな道路、周りは発電所とか倉庫とか、とにかくだだっ広いところを通ります。行き交う車もコンテナを積むトレーラーがほとんど。乗り物大好きなキミは、もうここで満足するかも。
大田市場は、東京に入ってくる貨物の要所にあるので、たしかに立地はいい。アキバのままなら、こんなに車は入れなくなってた。
車だけじゃなくて、鉄道、船(だからコンテナ車が多)、羽田空港も近い。大田市場に行けば飛行機もたくさん見られるよ。

バスは市場の中までどんどん入って、事務棟の前が終点。帰りのバスの時間をチェックしとこう。目の前にはターレが行きかう、青果の積み出し場があるけど、そこは働く人の場所。
見学は事務棟の2Fにあがろう。資料室があるので、そこで受付して、資料ももらおう。土曜は閉室だからパンフを取って案内図をよく見てね。特に予約は要らない。
ちなみに、ここのトイレは見学者でも利用しやすいし、バリアフリーで広くてとてもきれい(他はふつう)。「豊洲が築地よりいいところはトイレだけ」と言われているけど、豊洲より大田がいいくらいだよ。

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事務棟から市場棟にはガラス張りのドームの渡り廊下でつながっている。
左右の窓の下には「野菜数え唄」のレリーフがついていて、1はなんとか、4はしいたけ、とか、語呂合わせが書いてある。都内に11市場あるけど、現在見学コースがちゃんとあるのは大田だけ(他も入ることはできるよ)。作ったときに誰かが「数え唄で野菜に親しんでもらおう」と考えたんだね。豊洲の「江戸小紋のパネルで情緒を味わう」みたいにひねりすぎるよりはいいけど。

市場棟に入ると、そこは青果。大田は青果が7割以上を占めていて、鮮魚は少ない。見学コースはまず青果をぐるっと見るんだけど、到着時間が遅い(9時とか10時)と、鮮魚はどんどん閉店しちゃうから、周回のルートは無視して、建物の手前(管理棟側)の通路(順路の→は逆向きだけど気にしないで)をどんどん進んで、鮮魚を先に見よう。→(逆)は、狭い階段に続いていて(見学コース自体はバリアフリーではない)、それを登ると駐車場になっている屋上に出る。全体「ここ通っていいのかな」と思うような、ちょっと狭くて殺風景な通路だけど、大丈夫。

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屋上に出ると、大田市場の全貌がやっとわかる。市場は四つの三角屋根の建物がつながっていて、この三角の屋根もさらに三角形のぎざぎざの形になっている。
これはノコギリ屋根という、工場などでもよく見られる、大きな建物に最適な自然採光をするための構造。この写真だと奥側の面が、ガラス張りになっている。築地も扇型のノコギリ屋根だけど、大田のは一直線で壮観だよ。豊洲は一部に太陽光発電パネルを載せているけど、電気代はどっちがお得なんだろう。

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屋根のまんなかには突然、ちょっとオモチャっぽい野菜のオブジェがついている。左からカブ、タケノコ、ブドウ、一番右の鮮魚棟はタイだ。
これもできた時はあまり評判がよくなかったらしい。屋上からだと見上げる形になるので、よくわからないし、遠くからだとよく見えないしね。
 
今の時期、屋上は日射しがすさまじいことになっているから、気をつけてさっさと歩こう。青果から鮮魚までは歩いて5分もかからない。豊洲は青果から鮮魚まで25分かかるから、夏場は人が倒れるね。

鮮魚棟に着いたら、また階段を下りて、市場の上にある通路から見学できる。右側が卸で、左側が仲卸の店舗が並んでいる。筆者が着いたのは10:30だったから、卸はもうなにもなかった。一番奥が活魚の水槽だ。

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その向こうはトラックが直接つけられる場内道路になっていて、ここに荷下ろしをして、セリ(5:40)をして、通路をはさんだ仲卸のお店に魚は運ばれる。
仲卸の店が並ぶ通路はそのまま積み込み場につながっているので、買ったものはターレや台車ですぐに運ばれる。動線はすごくスムーズだ。もちろんスロープやエレベーターとかで階を移動するようなめんどくさいことはないよ。
仲卸は、ぽつんぽつんと開いている店があり、わずかだけど魚も並んでいた。大田区が近い人は、がんばって早起きして行こうね。

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でも、築地みたいに仲卸のお店を間近で見ることはできず、上の通路から降りることはできない。豊洲の仲卸棟見学コースみたいに、ガラス窓の下に仲卸店舗の屋根しか見えないというよりはずっとマシだけど、築地好きにはちょっと物足りないかもね。それに、一般の消費者(お店屋さんじゃない人)がBBQとか寿司パだとかのために買うことはできないんだ。築地は、11時以降ならそれができる。
 
鮮魚棟は1棟だけだから、見学通路を往復したら、もうおしまい。案外狭いね。
卸の会社は一社、築地の大都魚類の大田支社だ。仲卸は86店舗43業者。築地は卸7社、仲卸約500社だから、かなり少ない。取り扱い量は鮮魚と加工品が半々くらい、金額にして一日3400万円(17年平均)。これは、築地・足立・大田の都内3鮮魚市場のうちわずか2%(占有率)だって。
 
次回紹介する青果部門は都内9市場の占有率51%。全国でもトップだ。大田が巨大市場だといわれるけど、それはほとんどが青果。
鮮魚に関しては、青果を仕入れにくるスーパーとかが同時に魚も仕入れるためにあるレベル。魚メインで野菜も買える、築地の逆だね。
 
業者が少ないということは、当然魚の種類も少ない。専門店が築地に頼る特殊(量の少ない魚)なんかはどうしても弱いよね。
あと、最初に書いたような交通アクセスを考えると、大田には大きいトラックでどーんと買出しに来る業者じゃないとちょっと難しい。築地に地下鉄や自転車で来てるようなお寿司屋さんは、大田に切り替えるのはムリそう。豊洲も同じくらい行きにくいけどね。小規模のスーパーとかで、豊洲仕入れたくない、と思う業者さんで、大田区が近ければ、いいかもしれない。
 
こう書くと、大田市場がしょぼいみたいになっちゃって申し訳ないから、後編は巨大な青果と、築地にはない花き、そしてみんなお楽しみの市場メシがある関連について書くよ。
夏休みも終わるし、めんどくさいから次回は普通の文体です。

豊洲市場「杭打ち偽装」疑惑発覚!

豊洲市場に「杭打ち偽装」疑惑が浮上…施工業者が決意の告発!(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)

 

調べれば調べるほど、不正や手抜きが続出し、まともな部分は一区画もないのではないか、とすら思える豊洲新市場。ここまでひどい公共建築は前代未聞です。

今回、ついに、横浜のマンションが「杭の強度不足」で全面建替え、補償を余儀なくされたことも記憶に新しい「杭打ち偽装」が、豊洲(7街区駐車場棟)にもあるのでは、という疑惑が報道されています。

これが本当なら、豊洲の建物そのものを建替えることは必須(ほんとうは土壌汚染対策のためにも建替えるべきだった)ですし、そうなれば、今でさえ異常なまでに工費が高い豊洲市場をもう一度建てる必然性はまったくありません。

少なくとも、この問題については、東京都の「114本の杭のうち48本を500mmカットすることは大きな変更ではない(横浜のマンションの場合は473本のうち8本が不足していて解体・建て直し)」という言い分を鵜呑みにせず、きちんと精査することが必要です。

 

8.4から配布している「号外」にひとことですが「杭打ち偽装」の文字を付け加えた(都知事の顔の上)バージョンを緊急作成しました。ぜひご利用ください。

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「都庁・農水省に意見を」を広めてください。

豊洲の問題を「おさらい」的に整理し、迫る「10.11」に向けて、都民の皆様に「意見を出して」とお願いする内容のチラシを制作しました。
次の記事にアップしている「号外(杭打ち偽装ver.)と裏表で使っていただけると効果的です。
街頭配布はもちろん、お店や民家などへのポスティング等で拡散してください!!

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築地や都庁、農水省での連日のアピールやかわら版くばりにご参加いただいている皆様、お疲れ様です。
また、話を聞いたり、かわら版を受け取ってくださった皆様、ありがとうございます。
 
こうしたアピールに応じてくださる方の反応の中に、「安全宣言は信じられない」「開場が迫っていて心配」だけど「どうしたらいいかわからない」という声がとても多いようです。
そうした方は、豊洲市場農水省認可申請中であり、まだ申請はされていない、ということを知ると驚かれます。「もう決まってしまった」という認識は、「実はまだ認可されていない」と聞くと「あれっ」となるのではないでしょうか。
 
現在の小池都知事の支持率を見ても、東京都が出す「安全宣言」を手放しで信用する人は少ないだろうと思われます。豊洲市場について「汚染があるらしい」程度の認識しかなくても、不安を感じる方が大多数です。
今話題の「杭打ち偽装疑惑」(週刊現代)
 
 
をはじめとする建築や汚染対策の不正問題、市場としての機能を果たさない建物の設計、交通の問題などで流通が崩壊する可能性などなど、無限ともいえる豊洲の問題点の一端でも知れば、豊洲が開場して「都民の台所」になることの危険性を実感することでしょう。
 
私たち「築地でええじゃないか!」かわら版は、これまで豊洲の問題点よりも「築地には価値がある」ことに重点を置いてきました。そして「かわら版」という形式で、楽しく知ってもらい、実際に築地を見てまわってほしいということを目的にしています。
 
今回アップした「チラシ」は、そうした流れとは違い、豊洲に不安・不信を持つ都民の方たちの声を農水省・都庁に集中してほしいということを全面に出した、完全な呼びかけ文です。築地に来て楽しもうという観光客の方に配るのは不向きですが、「8.4号外(杭打ち偽装ver.)」との両面で印刷していただき、以下の用途でぜひご利用ください。
 
・地元や繁華街、商店街などでの街頭配布。
 
・商店街へのポスティング。チェーン店などは入れても効果はありません。個人商店。飲食店に限らず、食品関係、また、健康や環境問題に関心が高そうな業種、たとえば鍼灸や整体、ヨガ、フェアトレードショップ、書店・古書店、雑貨店などもお勧めです。
 
・民家へのポスティング。軒並み入れても効果は薄いです。政治に関心がある(野党系のポスターを貼っている。ただし都議会で自公は「野党」ですが、当然対象外です)、食や環境に関心がある(なんらかのステッカーなどを貼っているなど)といった傾向がわかる家がご近所・通り道などにあれば、ぜひポスティングしてください。
!!注意!! ポスティングは「チラシお断り」などとあるところには絶対に入れないでください。また、ポストの位置などが敷地内にあり、マナー違反となるおそれがある場合も、強引に入れるのはやめてください。あくまで入れられるお店や家の立場を重んじて、常識の範囲での配布をお願いします。
 
配布に協力してくださる方にはご負担をおかけしますが、こうした活動は基本的に自腹で行うものです。ご自分ができる範囲の枚数で印刷等して、ムリのないところで配ってください。
枚数は10枚でも30枚でもピンポイントでうまく使っていただければ、効果的だと思います。「関心がありそう」「意見を出してくれそう」なところがあれば、ポスティング、手渡しなどでぜひ広めてください。
もちろん従来のかわら版とセットで、さらに一押し「意見を出して」というときに渡すのもアリです。
 
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豊洲市場は現在「安全宣言」に基づいて、農林水産省認可申請を出しています。
農水省は食の安全と、流通の安定を守る義務があります。
豊洲市場を認可しないで」。
農水省に声を届けましょう。
100-8950 千代田区霞ヶ関1-2-1
農林水産省 消費・安全局 消費者行政・食育課
FAX:03-3502-0594
 
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FAX:03-5388-1233

「豊洲市場を認可しないで」農水省に声を送りましょう。

豊洲市場は現在「安全宣言」に基づいて、農林水産省認可申請を出しています。
農水省は食の安全と、流通の安定を守る義務があります。
豊洲市場を認可しないで」。
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還してくれよ!水神様!


還してくれよ!水神様! byジョニーH

「タコの歌うたいさん」でおなじみ、ジョニーHさんが、築地場内の水神様

の"拉致問題"について新曲を作りました。

 

水神様に関してはこちら。

築地は水の街 - 築地でええじゃないか! かわら版

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水神様は7月上旬に氏子である魚河岸会全体にも告知されることなく、突如「魂抜き」が行われ、神様は本宮である神田明神に還っています。

元々水神様は江戸時代からの魚河岸の守り神として、神田明神にあったのですが、築地市場にはその伝統を引き継いだ「遥拝所」が設けられました。

 

なお、前記事で「水神様は日本のやんごとなきご一族と関係が深い」と書きましたが、ここでそのご一族について紹介します。

成田屋:市川団十郎です。

屋号の由来は成田山新勝寺(真言宗不動明王)から来ており、豆まきに成田屋一門が並ぶことでもおなじみですね。

ところが、神田明神成田山に対する江戸からのカウンターとして建てられたというもともとの由緒があるそうで、もちろん現在ではそんなことはないのですが、その中で、なぜか成田屋一門は水神様にだけは参拝する習慣があったそうです。

宗教史的には神仏習合とか、いろいろな経緯もあるのですが、芸能史においては、この結びつきの理由は、市川家の「十八番」である「助六(助六由縁江戸桜)」に関係しています。

助六は「曾我兄弟もの」という時代歌舞伎ですが、主人公である吉原の遊び人:助六(曾我五郎)らは江戸時代当時の最先端の風俗をまとったアイコンとして、江戸の町の人気を博したキャラクターです。そのファッションの中に「赤い蹴出し」を見せるという、男性としては特殊な着こなしがあります。いわゆる「かぶいた」格好の代表とされますが、これはもともと実際に江戸魚河岸(日本橋)の男たちがしていたもの。魚河岸衆は威勢のよさが売りなので、江戸のファッションリーダーとして新しい風俗をいろいろ発信していたのです。

そんな魚河岸リスペクトとして造型された助六を演じるときには、下座音楽も魚河岸の旦那衆(江戸時代の素人の、いわゆる旦那芸にはプロレベルの人がいた)に頼むという伝統もあり、当然、上演時には神田の水神様に遥拝することになっているのです。

また、これは魚河岸由来とは断定できないのですが、ヒロインである花魁の揚巻は、水引の巨大な伊勢海老を前につけた帯をしているという、これまたとんでもないファッションです。魚河岸風ファッションの助六に対して、海老を対にした、とも考えられます。

そして海老といえば、団十郎丈の「前の名前」であるところの、市川海老蔵

当代海老蔵丈、最近も息子さんとともに話題になっていますが、この方は場内では有名な築地贔屓であるらしいです。なにせ歌舞伎座からも演舞場からも近いですから、場内の魚がし横丁のお店でお鮨を召し上がっているところを、ちょこちょこSNSに上げているようですよ。

 

海外セレブに大人気の築地ですが、もちろん日本を代表するセレブリティも、築地とは関わりが深いのです。

 

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号外発行! 8.11かわら版くばりまつりin築地4丁目!

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豊洲市場の安全安心宣言、まさか誰も真に受けてはいないでしょうが、誰も信じないような「安全」が出されたまま、事態が進むことがとても異常です。
と、いうことをテーマにかわら版号外を作成しました。
先日の8.4波除神社アピールから使用しています。
裏面は従来の英語・中国語・地図のものと組み合わせています。
 
引き続き今週も、短時間ですが築地で配布します。
 
8.11 築地でええじゃないか! かわら版くばりまつり in 築地4丁目交差点
 2018年8月11日(土)
11:30~30分程度
築地四丁目交差点付近(本願寺側を予定)
 
[ご注意]
連日の猛暑です。
日陰のない場所なので、今回は短めです。
ムリのない範囲で参加してください。
あまりの酷暑に築地に限らず、買い物・行楽客そのものが東京に少ないです。
だからあまり枚数はまけないかもしれません・・・
 
雨天中止です。
中止のときは、当日10:00までにこのサイトで発表します。
ちらしは紙なので、小雨でも中止する可能性が高いです。
 
プラカードは築地関連のものだけでお願いします。
浴衣や祭衣装、魚かぶりものなど、暑さが危険でない範囲で、目立つ格好も歓迎です。
でかいトラメガはご遠慮ください。小さいのは可。
対象が通行人の方々なので、動画・写真撮影はご遠慮ください。
 
ひとりでもやりますが、大勢来てくれたらうれしいです。
人数がいれば、交差点の対岸とか複数で展開したいです。
 
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引き続きこちらもよろしくお願いします。
 
都庁に声を届けましょう
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