安倍晋三元首相が、宗教団体・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と密接な関係にあることが、日本社会での同教団の伸張をまねき、そのため信者である自身の家族が崩壊したと考えた山上徹也被告が、奈良県の選挙演説会場で安倍氏を銃撃して殺害してから、1年目の2023年7月8日。
筆者は、東京都中央卸売市場・多摩ニュータウン市場を訪れました。
いったいなんの関係が・・・?
「旧統一教会が多摩市に土地を取得、道場建設か」としてニュースになっているあの場所。多摩市永山7-2。
そして、多摩ニュータウン市場は多摩市永山7-4。「国士舘大学の隣」といわれていますが、国士舘をはさんだ、そのお隣が市場なのです。これはピンチ!!
南多摩尾根幹線道路という大通りに沿って、旧美多加堂、国士舘、市場と並んでいます。国士舘の正門前。
土地取得に関するあれこれはこちら。
多摩市長からも公式に「解体工事の停止」が要請されているのに、7月3日からは解体工事がはじまっています。
裏はすぐ山です。「よこやまの道」という歴史ある尾根道で、ハイキングコースになっています。
さて、この建物の感じ、市場好きならおや?と思いますよね。
そう。「元食品会社」と記事では言われていますが、お菓子の卸売会社・美多加堂です。
卸売? 市場と関係があるからこの場所に? と、疑いましたが、特に周辺にはほかの食品会社があるわけではなく、たまたまこの会社だけが出店しているようです。
もとは三鷹駅前の和菓子屋さんだったのが、卸もやるようになって、埼玉や神奈川に工場を作り、手狭になってここに移転したのが1990年だそうです。多摩ニュータウン市場は1984年開設なので、食品流通の拠点化をめざそうとした動きがあったのかもしれませんね。
この土地を旧統一教会に売って、再度移転した先は八王子市東中野なので、教団関連の政治家などのあっせんがあったのではないか、と推測する記事もあるようです。
なお、美多加堂のお菓子はどんなものなのか、HPでは商品一覧がない(!!)ので不明ですが、ぼんやりした写真の中で「ブラックなんダー」なる怪しい代物があるのが発覚。あとは健康食品っぽいものとか。
なぜか似たようなデザインですが、向かいにある「日本食品分析センター」。市場関係かと思われる食品の事業所はこのくらいです。しかし多摩ニュータウン市場は青果専門なので、特に関係ないか。
では、いよいよ市場を見ていきましょう。
南多摩尾根幹線道路に面した正面は、ビルです。事務棟でしょう。
総面積は57153平方メートルですが、取扱量(青果)は11市場のうち最小の93t。
現代彫刻家の関根伸夫による「発芽」というオブジェ。青果だから?
一般にひらかれた食堂はなく、関連もないので、入構はできません。
鎌倉街道側にまわっても、よくわからない。
裏山のよこやま街道に入って、ようやく市場っぽい景色を見ることができました。
実は川崎市水道局と土地を共有しています(川崎の水源地)。このあたりは、もとは神奈川県。
尾根幹線道路はまんなかに大きな緑地帯があるのですが、それを拡幅するようで、鎌倉街道の交差点も橋梁工事がはじまっています。地域の再編があり、その関係で美多加堂も移転したのかもしれませんが。
せっかくなので、多摩ニュータウンとは?
市場の北側にある都営永山団地です。多摩ニュータウンは最近あちこちリニューアルされていて(おもにUR)、低層のタウンハウスになったりして高級住宅地のようになっているところもありますが、ここはほんとうに昔ながらの「団地」。
高齢化・転出が進み、空き家が増えているともききます。そのため、旧統一教会の道場ができたら、信者が転入してくるのではないか。そのような懸念から、上記の市民連絡会はこの団地内が本部になっています。
ちゃんと商店街が機能していて、この日は夏祭りをしてにぎわっていました。ポスターを貼っていた「あしたや」さんは地域や障がい者に関わるNPOのようで、手作りパンを売ったり、裂き織りの実演をしたり、お祭りでも活躍していました。古本も安い。高齢化、といいますが、子どもも大勢遊んでいた。
団地のよさが保たれ、安心して暮らせるといいですね。
おまけ。
市場から山をくだると、東光寺という大きなお寺が。大観音像もある。禅宗の古刹のようです。こちらも教団が来るのは不安なのでは。